March 01, 2007

調律師さんの話 その2

グランドピアノにラブレターの話に引き続き、調律師さんとのお話第2弾。

ピアノは何といって特別のことが無ければ、1年に1回くらいは調律をしたほうがよいのだけれど、ときどき、30年ぶりに弾いてみようと思って、といった感じで調律を頼まれることがあって仕事をすることがあるそう。

「そんなピアノでも5年くらいお付き合いさせてもらったら、見違えるように生まれ変わりますよ」と話してくれました。
「えっ、5年?」

30年も放ってあったら、まあまあのところまで調律してもらってそこまでと、何となく思っていたから、そこから育て始めるという発想が私にはなかった。

あちこち触りたいけれど、それはいっぺんにということではない。あちらに手を入れ、落ち着いてきたらこちらに手を入れ、ということらしい。

生き物なんだな、と思う。これが電子ピアノだと、調子が悪かったら基盤をとりかえればいい。調子をみながら、あちらをいじりこちらをいじり、ということはない。

何かを中断してても、お休みしてても、そこからもう一度育て始めればいいんです。そこから、またどんどん変化(成長)していくんです。
もっというなら、そこで1回調律してそれで終わりではないんです。そこから始まるんです。



15:07:49 | fe | comments(0) | TrackBacks